もしも自分が突然殺人犯にされたら……(阿武町「人権」を考える集い推進大会から)

「人権を考える集い推進大会」式典のようす

 11月29日(土)、「阿武町人権を考える集い推進大会」を開催しました。
 式典では、花田町長さんの挨拶の後、人権に関する標語やポスターで、特に優秀な作品を作ってくれた4人の児童生徒を表彰しました。
 阿武町の学校では、道徳の授業や学級活動の時間を中心に、「さまざまな差別の解消」、「情報モラル」、あるいは「国際理解」など、人権に関する学習を重ねながら、「互いの人権が尊重される、いじめのない誰もが安心して生活できる学校づくり」に取り組んでいます。
 そして今年も阿武中学校の生徒全員が、先生たちと一緒にこの推進大会に参加をしてくれました。

受賞した児童・生徒のみなさん

 式典の後の講演会は、講師にタレントのスマイリーキクチさんをお招きし、「言葉の責任 ネットの被害者・加害者にならないために ~命の大切さ、人生の大切さ、あきらめない心~」という演題でお話をしていただきました。
 キクチさんは、1999年に、突然「殺人事件の共犯者」だという事実無根の内容をネットに書き込まれたことから、何年もの間言われなき誹謗中傷を受け続けてきました。
 その経験をもとに、ネット上での誹謗中傷の恐ろしさ、言葉の責任についてわかりやすくお話をしてくださいました。
 また、深刻で辛い経験にもかかわらず、お笑い芸人らしく、時にはおもしろおかしくお話をされ、会場に笑い声が響く場面もありました。

講師のスマイリーキクチさん

 スマイリーキクチと言えば、特に私たちの世代は、あの「ボキャブラ天国」に出ておられた時のキャラクター、そして韓流ブームの火付け役となったドラマ「冬のソナタ」の主人公ペ・ヨンジュンに似ているということで私たちを楽しませてくれた、あのイメージが強いのですが、その一方で、こんな大変な毎日を過ごされていたというギャップに、本当に驚きました。

 直接相手と対面しなくても、本名を明かさなくても、仕事や買い物ができる便利な現代社会。インターネット、SNS、生成AIといった便利なツールを使わずに生きていくわけにはいきません。
 しかし、一歩使い方を間違えると、人の命を奪うことになるかもしれない恐ろしいツールにもなる、まさに「諸刃の刃」です。
 学校でも「正しいネットの使い方」、「情報モラル」について学習しますが、今回の講演は、どんな学習よりも子どもたちの心に残る、心に刺さるお話でした。

 私も「情報モラル」を守ることは当然のこと、自分の言動が気づかないうちに人を傷つけていないかを常に振り返ることができる人、そして困っている人がいたら親身に優しく寄り添ってあげることができる人になれるよう努力します。

スマイリーキクチさん、ご講演、本当にありがとうございました。

 P.S.  キクチさんの著書「突然僕は殺人犯にされた」を図書コーナーに置いています。興味のある方は手に取ってみてください。




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